草を刈るのがお仕事!働き者な牛たちに会ってきました【もーもーガーデン@福島】

こんにちは!
スマベジのベジ子です。

今回は福島の「もーもーガーデン」を訪問&ボランティアしてきたのでそのご報告です!

目次

もーもーガーデンとは!?

「もーもーガーデン」とは福島県大熊町にある牛が暮らしている場所。
大熊町は、東日本大震災のとき甚大な被害を受け、今も帰還困難地域となっている町です。

大熊町

2012年の当時、沢山の家畜も被害に遭いました。
牛舎を逃げ出し生き延びた牛たちも、ほとんどが殺処分されました。

ですが、残ったほんの数頭だけあるお仕事を持って今もここで生かされています。

 

そのお仕事とは。。。除草。

除草

牛は毎日60キロを草を食べます。
ボランティアで福島を訪れていた谷さつきさんは、牛が食べたところだけ綺麗な土地を見て

牛たちに草を食べてもらう事で土地を保全し、牛たちを生かすことを考えました。

かなりの試行錯誤があった事は想像に難くないですが、谷さんは農家さんから協力を得て土地を借り、牛たちを放すことに成功しました。

人がいなくなった農地はすぐに山林、荒廃化します。

草ぼうぼうになっていた農地は、牛たちのおかげで綺麗な芝生となり、牛たちも殺処分されることなく毎日お腹いっぱい草を食べながらのんびり暮らしています。

(※草の線量は人間の食品安全基準値の100ベクレル/kg以下となっていて、牛に大きな害はないと考えられています。

0ベクレルが理想ですが、立ち入り区域内から出す事は禁止されているため難しい。
区域内で生かすための最善の策をとられています。
谷さんは彼らにギネスブックに載るくらい長生きして欲しいと言っています)

草刈り隊とカウベルト
(もーもーガーデンのサイトより)

谷さんは牛に環境保全を手伝ってもらい、また人々が戻ってきたときに暮らせる場所を作ろうと毎日頑張っていらっしゃいます。

くわしくはもーもーガーデンのウェブサイトでごらんください!

 

1日目:東京からレンタカーで福島へ

去年こちらのもーもーガーデンの事を知って、「牛への里親」といういう形での寄付があるのでそちらに寄付しました。

同じく里親の翠さんが一緒に牛に会いに行きましょう!と誘ってくださり、
マッチョの池田あゆみくんと、LOVST-TOKYOの店長・ミヤモトワタルくんも誘い、1泊2日で訪問&ボランティア旅行をすることになりました。

 

まず最初に悩んだのは、行き方です。
電車はまだ復旧作業中で、もーもーガーデンがあるあたりまでいけないんですよね…

いろいろ悩んだ結果、東京からレンタカーで行くことになりました。

車中
運転がワタルくん、助手席があゆみくん、女子は後部座席、カメラマンは一番奥。
今回の写真はほぼプロテイングリルの時と同じframeoftravelさんです。

 

もーもーガーデン体験記
8時に東京を出発して、11時頃、福島県大熊町の「もーもーガーデン」到着!

 

もーもーガーデン看板
道端に突然見えた「もーもープロジェクト」の看板。
見逃すところでした。

動物「園」みたいに囲われた施設みたいのを想像していましたが、看板があるだけで普通の場所でした。

[chat face=”veg_good.jpg” name=”ベジ子” align=”right” border=”red” bg=”red”]はてさて、牛たちはいるのかしら?[/chat]

 

福島もーもーガーデンの牛たち
[chat face=”veg_sup3.jpg” name=”ベジ子” align=”right” border=”red” bg=”red”]牛。。。いたあああああ!!!![/chat]

草食べてます。

 

福島もーもーガーデンの牛たち
遠くから何気にこっち見てる!

 

福島もーもーガーデンの牛たち
近くにもいる!

 

福島もーもーガーデンの牛たち
ノンストップで食べてます!

 

福島もーもーガーデンの牛たち
そしてこっち見てる!

この6のマークがあるのは六子ちゃん。
浪江で生き延びた強い牛で、みんなのボス的な存在なんだそうです。

 

着いて最初に記入する書類があり、身分証を見せて本人確認します。

代表の谷さんからもーもーガーデンについて説明があり、その他のボランティアの方々ともご挨拶。
皆さん、毎週いらしてる方たちばかりでした。(すごい)

作業時の服装は長袖、長ズボン、帽子、長靴です。

長靴など無いときは貸していただけます。
ベジ子やワタルくんは貸していただきました!

 

作業中
最初のお手伝いは、向かいのおうちの草刈り。
帰還困難区域なので、人が帰らない家はどんどん荒れてしまう。
なのでこうして草や生垣を整える、そんな事もするんだそうです。

 

植木異色中
カットしたいくつかの植木を、鉢に移動。

 

コンビニでお昼ごはん
そんなことをやってたら正午になり、お昼ご飯。

お昼を持ってこなかったので、近くのコンビニまで買出し(車で10分くらい)。
ちょうど6月くらいにできたばかりの新しいローソンです。

大熊町を出てすぐ、富岡町にあります。

 

お昼ごはん
他のボランティアの皆様は、作業に戻られてしまったので、我々だけでご飯。

コンビニで、梅、昆布、高菜のおにぎりや枝豆、ポテチ、みたらし団子、バナナ、漬物等を買って食べました。

 

イケメン
バナナばっかり食べてるワタルくん。

 

みたらし団子
おにぎりが残ってなかったので、みたらし団子を食べたあゆみくん。

 

バナナを食べる女性
バナナを見せてくる翠さん。

 

福島もーもーガーデンの牛たち
われわれがご飯を食べてるうちに牛たちは遠くに移動していました。

 

歩く女性の背中
午後は牛の水桶のホースの水が出なくなっているということで、みんなで見に行きました。

[chat face=”veg_panic.jpg” name=”ベジ子” align=”right” border=”red” bg=”red”]土地が。。。広いです。。。(軟弱)[/chat]
牛用の水桶に山からホースを連結して、水をひいているそうなんですが、
それが今出なくなっているとか。

連結しているホースのどこで水が止まってるようです。

なのでそれがホースのどの部分なのかを手分けして探すことになりました。

福島もーもーガーデンの牛たち
分かりやすく図解しました。

 

ジャケ写風の女子
なんだかジャケ写っぽいポーズですが、谷さんに

「ホースの中の水を感じてください」
って言われて
途方にくれている様子です。

[chat face=”veg_die.jpg” name=”ベジ子” align=”right” border=”red” bg=”red”]わっかんねえ…[/chat]

 

 

笑顔の農作業の女性
ようやく止まってる箇所を発見して笑顔の谷さん。

 

福島もーもーガーデンの牛たち
水桶に無事、水が流れるようになりました。

 

草刈り
水も直せてそろそろ終わりかな~というところで、違う場所で刈ってきた草が到着。

全員総出で草を降ろします。

 

草をおろすおじいさん
草って軽そうですが、これだけの量あるとなかなかヘビー!!
全力でも持ち上がらないんです。。。!!

 

横たわるホスト
全部降ろし終えて横たわるあゆみくん。

 

福島もーもーガーデンの牛たちお食事中
翌日牛たちが美味しく頂いてました。

 

皆で記念撮影
最後に他のボランティアの皆様と最後に記念撮影。
横浜から毎週末来てる方もいらっしゃいました。。。!

みなさんすごいです。

帰還困難区域から出るときは必ず、スクリーニング検査をするように言われました。
スクリーニング検査とは、靴の裏の放射線量を測ること

帰る道沿いにあったのですぐ分かりましたし、2、3分で終わりました。
(2回行きましたが、皆さんとても優しかったです。)

私たちはいわきにホテルをとっていたので、車で一時間ほど移動。

ホテルを予約する時には、どういう交通手段で行くか、ボランティアは一日?二日? など詳細が決まっていなかったので、なんとなくいわきにホテルをとったんですが…

福島大移動思ったよりもーもーガーデンから遠く、結果的にちょっと失敗だったかな、と思いました。
もっと近いところに泊まればよかった。。。

いわき湯本温泉 スパホテル スミレ館

古い和室タイプのお部屋で広さはそれなりでしたが、お風呂はドン引きする小ささ。
最上階に大浴場があったので、そちらを使いました。

[chat face=”veg_zawa2.jpg” name=”ベジ子” align=”right” border=”red” bg=”red”]
カランが3つしかない浴場でしたけどね。。。[/chat]

 

福島ホテル

今調べると大熊町にもホテルいくつかあったので、連日でボランティア行きたい方は近くの方がいいかもしれません。
当然?というか新しいホテルが多いですね。。。

ホテルに着いて一休みしてから、夕ご飯はインドカレー屋さんへ。

インドカレーで夕食
ご飯の盛り方が不思議で笑いが止まらない翠さん。

カレーの他に、フライドポテトや枝豆もあったので、そちらも食べつつ楽しい夕食タイムとなりました。

 

2日目:夕方までお手伝い、そして帰宅の徒へ

「疲れてるだろうし、あまり早く来る必要もないですよ!」と言うお言葉に甘えて、10時過ぎに到着しました。

本日は小雨交じりだったので、小屋内でやれる作業。

木を切って、やすりを掛けて、ニスを塗るという看板作りのお仕事。

木を切る女性
翠さんもトライしていましたが、女子にはちょっと難しいので、男性陣にお願いしました。

 

やすりをかけている女性
こちらは電動やすりをかけています。
人生ではじめてのことばかり。。。

 

ニスを塗る
切って、やすりをかけた木に防腐剤を塗っていきます。

午後はビオトープ作りのお手伝い。

谷さんの超上手なイラストによると

牛の水桶に、苔が大量発生してしまう。
苔は牛にとって有毒。

ちょうど水桶の中に蛙が卵を産んでしまい、おたまじゃくしが孵っている。

水桶の中にビオトープをつくりたい。

循環する環境を整えて、おたまじゃくしが苔を食べ、砂や腐植土や落ち葉を入れて良質なバクテリアが水を綺麗にしてくれれば、

牛もハッピーおたまじゃくしもハッピーになれるのでは!

という作戦です。(長い)


川に降りて、土や腐葉土などをバケツに入れてます。

 


土を入れてます。

 


最後に、牛がおたまじゃくしを飲んでしまわないように網をかけています。

 

作業の後にもーもーガーデンの案内もして頂きました。


震災後、人がいなくなった土地は、水田にも草や木がいっぱい生えてしまったそうです。

信じられなかったんですが、真ん中に見えるの震災後に生えた木なんだとか。


人の手が入らなくなった土地は数年で背より高い草木に覆われてしまうそう。

ここに牛が入って草を食べることでこのような草原状態が保たれています。
この途中で折れている木も、牛が葉っぱを食べるために倒したそうです。

[chat face=”veg_panic.jpg” name=”ベジ子” align=”right” border=”red” bg=”red”]牛の食欲すっご![/chat]

牛は下あごにしか歯が無くて、舌で巻き取って草を食べるんだそうです。
なので、根こそぎ草が無くなることはなく、綺麗な芝生の状態になるんだとか。

 

牛は「自然の造園師」とも呼ばれているそうですよ!

 

キウイ棚も見せてくださいました。

一度は震災で崩れてしまったキウイ棚をなおし、雑草を牛に食べてもらうことで、今後農家の人が戻ってきた時の産業にしたいと谷さんは思っているそうです。

キウイは腰を曲げなくてもいいので、お年寄りでも栽培しやすいのだとか。

 


牛たちにも会わせて頂きました。

 


最初は牛大きくて怖い!って思いましたが、とても大人しくて触らせてくれる子も多かったです。

 


首の後ろを掻いてもらうと嬉しいらしいです。

 


ワタルくんはドツかれたりしていました。

 


谷さん人気。

 


寝てるように見えても、お腹の中で草を反芻して分解しているのだそうです。

 


まつげ、なっがー!(うらやましい)

 


角にも神経が通っていて、切る時にショックで死んでしまう牛もいるそうです。

 


みんなで記念撮影。牛はみんなお尻。

 


車で東京まで戻り、上野のT’sたんたんでご飯を食べて帰りました。

 

ボランティアに行きたい人へアドバイス

服装は長袖長ズボン、帽子、長靴です。

作業の内容にもよりますが、がっつり汚れる可能性がありますので、汚れてもいい服装をおすすめします。

帰還困難区域は、あくまで一時的に入る場所。

区域内は火気厳禁です。
電気も発電器を使っています。
水道もなさそう?でした。
トイレは開放的です(雨水で流します)

携帯は(会社によりますが)圏外です。

 

小屋の中にある照明はよく見たらハンガーでくっつけてありました。
ゴミは出さないように、もしくは自分で持ち帰るようにした方がいいと思います。

園内で撮った写真は公開していいか、谷さんに確認が必要です。

 


移動手段もちょっと難しいです。
来年には最寄り駅が復活するそうですが、今のところ車がないと厳しいかなあと。
タクシーでも近い駅から15分はかかるみたいです。

私たちは最初、新幹線や在来線を検討していましたが、乗り換えの時間が厳しくて車にしました。

が!

東京から車で行って、ボランティア作業すると結構疲れちゃうので、新幹線で行ってそこからレンタカーがベストかな、と思いました。

 

もし、ボランティアに行きたい場合は、

まずウェブサイトから申し込みをします。
帰還困難区域に立ち入る許可証をとってくださるので、希望日の2週間前までに名前と電話番号を伝える必要があります。

帰還困難区域は9:00~16:00までしか立ち入りができません。
谷さんはお忙しいので昼間は連絡を控えた方がよさそうです。

 


なんの知識も経験もない私たちに、手伝えることがあるんだろうか、かえって邪魔になってしまうのでは…と心配しながら行きましたが、思ったより沢山の作業に参加させてもらいました。
人手がいる作業や力作業など、やることっていっぱいあって、6時間ってあっという間でした。

なので私のようにボランティアに不安がある人でも、全然大丈夫。(と思います)
力仕事が難しい人でも、出来ることはいろいろあります。

[chat face=”veg_happy3.jpg” name=”ベジ子” align=”right” border=”red” bg=”red”]もちろん力自慢の人は是非行って欲しい![/chat]

活動サポートのページに詳しく書いてありますので是非参考にしてみてください。

海外への翻訳作業なども必要らしいので、そういう協力の仕方も素敵ですよね。




まとめ

直接行くのは難しい…という人は、金銭的なサポートもおすすめです!
私と翠さんはすでに里親になってますが、継続型の寄付(里親コース)と単発の寄付とあります。
物資支援も受け付けているそうです。

ご自身はコンビニや塾講師のバイトをしながら牛のお世話をしている谷さん。
小さい体のどこにこんなパワーが眠っているんだろう?と思うくらいパワフルな人でした。

私たちが伺ったのはたった二日でしたが、牛のことを沢山教えてくださいました。

 


呼んだら来るとか、意外と歩くの早いとか。
自分の子供じゃなくても舐めて慈しむ愛情深い生き物だとか。
耳が音の方向に動いて、名前を呼ぶとこっちに耳を向けて何気に話を聞いている、とか。

 


ゆかいな仲間たちとも一緒に行けてよかったです。

 


なにしてるんでしょう。。。

 


これは牛のポーズです。

 

福島は遠くてまだ気軽にはいけませんが、またお手伝いに行きたいです。
福島の今についても知れてとても学びの深い2日間でした。

是非、興味をもたれた方は「もーもーガーデン」のウェブサイトを見てみてくださいね!
それではまた次回!
ベジ子でした~♪




施設情報 - Information –

場所: 福島県双葉郡大熊町大字野上湯の神 町野 上 都 路 街道
営業時間:
ウェブサイト:もーもーガーデン

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この記事を書いた人

ベジ子。
子供の時から肉嫌い。2013年にヴィーガン料理と出会い、そのトリコに。
趣味は美味しいヴィーガン料理を発見すること。
サウナとビールも大好き。

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